肩だけでなく首の筋肉も肩こりに関係あります
肩こりのマッサージやストレッチをするときに、まず肩からほぐすことが多いですが、多くの患者様は肩の筋肉だけ施術すると微妙な反応になります。なぜなら、肩こりは、肩だけの問題ではないからです。
今回は、肩こりに関係する筋肉のストレッチシリーズの最初の1つとして、首の前側の筋肉である。胸鎖乳突筋、広頚筋のストレッチについてご紹介します。これらの筋肉は肩こりだけではなく美容にも天敵で、硬くなるとシワができたりするので、美容にもおすすめのストレッチです。
スマホ首の原因、胸鎖乳突筋・広頚筋
皆さんはスマホ首はご存じでしょうか?スマホ首とは、簡単に言うと首が前に倒れる姿勢です。ストレートネックとほぼ同義と捉えられることもあり、猫背など、姿勢の崩れの原因になります。これは長時間、首が前に倒れた状態になると首の前側の筋肉(胸鎖乳突筋)が硬くなり、スマホ首になりやすくなります。
スマホ首やストレートネックになると、首や肩こり、頭痛、手の痺れなどの広範な表情を引き起こしますので、注意が必要です。
そもそも人の頭の重心は前にあるため、前方に頭が倒れやすい状態になっています。これは例えば、椅子に座って眠くなると、頭が前に倒れて「はっ」として起きたという経験がある人も多いと思いますが、これは頭の重心が前にあるから気を抜くと頭が前に倒れてしまうため、起こる現象です。このようにただでさえ前に倒れやすい頭なので、スマホやパソコンを見るときはよほど注意しないと、前に倒れないように良い姿勢を保つのは難しいでしょう。
他には、これらの筋肉が硬くなると、首が痛くなる場合があります。難しいのでざっくり説明すると、これらの筋肉は、首を前に倒す筋肉の内、前方(外側)にあるものなので、硬くなると単純な前に倒れる運動だけでなく、前方に首の骨が滑る運動が生じ、首の運動が崩れ、首に過剰な負担をかけてしまい、痛みを引き起こす場合があります。
こんな症状は要注意。胸鎖乳突筋と広頚筋が硬いサインかも???
先ほどの説明は筋肉が硬くなった後に起こる姿勢や運動の異常により生じるこりや痛みの話でしたが、単純にこれらの筋肉が硬くなったら起こる症状もあります。
いわゆるトリガーポイント(押すと痛く、関連する部位に痛みが生じるポイント)と関連する辛さの症状で、上記の筋肉が硬くなると起こる以下の特有の症状があります。
胸鎖乳突筋
- 耳、耳の後が辛い
- 顎の周囲が辛い
- 顔面(特に目の上や、目の奥)
広頚筋
- 顎の外側が辛い
- 顔面や頸部のはっきりとしない痛み
胸鎖乳突筋、広頚筋のマッサージは強くしない方が良い理由
首の前側には大事な神経や血管があり、また胸鎖乳突筋や広頚筋は首の前側にあることから、強くやりすぎると血管や神経を傷めてしまうので注意が必要です。
広頚筋、胸鎖乳突筋の強いストレッチ
このストレッチ方法は色々紹介している人が多いので、ここでは強めにストレッチをする方法を紹介します。注意点は前述した通り、強く指で抑えすぎないのがポイントで、安全性を考慮するなら、鎖骨の上から行えば、大事な血管や神経に触れることなく行うことが可能です。今回のストレッチのポイントは、肘を肩まで上げていることです。そうすることで、首を動かしていても筋肉・筋膜・皮膚を強く抑えることができますが、くれぐれも気持ち。
- 肘を肩の上まで上げて、反対側の鎖骨の上(頭側)から触れて、鎖骨の下(尾側)に指で皮膚を滑らし、首の皮膚をつっぱらせ、そのままキープ。
- 手をおさえたまま、首を上に上げる。
- 手をおさえたまま、肘の方に首を曲げる。
- 鎖骨から、顎の皮膚や筋肉がつっぱる感じがして、気持ち良さを感じながら、90秒くらいキープします。
このストレッチを上手にできれば、広頚筋も胸鎖乳突筋も伸ばせますので、もしよければ、ぜひやってみてください。